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mike-neckのブログ

JavaかJavaFXかJavaEE(なんかJava8が多め)

大学生が学習塾講師のアルバイトをしてはいけない理由

ネタ

これはネタエントリーですが、僕の過去の学習塾でのアルバイト経験に基づき記述しています。


大学生が学習塾で講師をやるというのはよくある話です。

大体の場合は、講師の募集内容で時給2,100円程度で募集されているので、結構割がよいと勘違いして申し込む人がいるものと存じています。

ですが、2,000円/hを収入として期待できると思って、応募すると、とんでもない悪夢を見ます。

では、以下、僕がかつて(20年弱前)の経験を元に、給与計算をしてみます。


まず、給与計算の内訳を記述します。

  • 授業時間の時給 - 2,100円/h
  • 授業時間外の拘束時間の時給 - 750円/h

授業時間の給与

一般的に授業は50min x 2のトータル1h40minです。これは授業時間の時給が適用されます。

2,100[円/60min] * 100[min] = 3,500[円]

授業時間は基本的には50min x 2に間が10minの休憩です。

この10minの休憩には給与は支払われません。

授業時間外の給与

一般的に授業時間外に授業の前後30分は拘束されます。

この30分前後の間には以下の様な業務をおこなわないとなりません。

  • 報告書作成
  • 親御様への挨拶、フォローなどのサービス・情報収集

報告書の作成などは、わりと適当にやればいいのですが、後者の親御様への挨拶、フォローなどは塾の塾長などと情報を共有(親御さんがどういう人であるかの共有、要注意の親御さんの場合は何を言ったらいけないかという情報共有)が必要であり、これは時給750円の事務的な仕事ではなく、塾での利益をあげる重要な仕事であったりします(事実、一回僕は塾講師のアルバイトをしている時に、情報共有ができてなくて、辞められてしまうような事態を発生させたことがある)。したがって、これは塾でのサービスの提供という部分において、塾の利益を安定させるかなり重要なタスクだったりします。しかし、これがかなりの低賃金で行われていることに注意して下さい。

これは授業の前後の1時間は確実に拘束されるので

750[円/60min] * 60[min] = 750[円]

の給与になります。


授業1回分の給与

以上から、塾講師のアルバイトは上記の結果より、3,500[円] + 750[円] = 4,250[円]の賃金となります。

これは時給換算すると4,250[円] * 60[min/h] / 230[min] = 1,108[円/h]ということになります。


諸費用他

こういう塾講師の仕事はスーツで行われます。

一月に1回スーツをクリーニングに出すとします。

最近、僕はスーツをクリーニングに出した記憶がありませんが、おおよそ2,000円くらいかかるでしょう。

もし、塾の講師が月に8回だとすると、月の手取りは4,250[円/回] * 8[回/月] = 34,000[円]位になるでしょう。

これから諸経費(クリーニング代)を引くと、32,000円程度となります。

月の勤務時間は、230[min] * 8 = 1,840[min]ですから、31h程度でしょうか。

月の利益は32,000円ですから、31hで割ると1時間あたり1,000円強といったことになるでしょう。

これは何か他のアルバイトをしているのと大した変わりはありません。


諸費用他2

塾講師のアルバイトというのは、単純にテキストの内容を回答できるという程度ではダメで、事前に予習が必要になります。これは、塾講師として、必要なところを手厚く、不要そうなところはやらないようにして、授業を効率良く進めるために必要な作業になります。これは授業1回につき、1時間程度は必要になる作業であり、これをやらないと、テキストの内容が終わらずに、ほぼ無償で補習をおこなう必要が発生したりします。

上記の勤務例では8回/月で実施していましたから、8時間程度は予習の時間が必要になってきます。

すると、月の利益32,000円に対して、必要になる時間が31 + 8 = 39hになるので、

32,000[円/月] / 39[月/h] = 820[円]

となります。つまりこれはコンビニでレジ打ちしているよりも低い給与水準になります。


そして、頭脳労働(特に保護者へのフォローなど)の割には、時給水準で考えるとかなり低めな設定になっており、単純な体力労働(失礼)であるようなレジ打ちバイトよりも儲からないという計算になってきます。


ブラック塾

以上から塾講師というのはかなり実入りの良くないアルバイトであることがわかるわけですが、これを強引に続けさせる強力な手が塾にはあります。

  • 生徒を捨ててしまうのですか?
  • 生徒を最後まで責任をもって育てないで、本当によいのですか?

いわゆる、やりがいとか、モラルに訴えかけて、通常の感覚を狂わせてしまうアレです。

こういう道徳を全面に押し出して人間から牙を奪おうとするから、この手の仕事は質が悪い。

なお、僕も金額面でこの手取りの悪さに気付いた時に、こういうこと言われましたが、気にせず辞めました。もし、責任云々を言われるのであれば、責任云々に見合う給料出しやがれということです。


まとめ

僕は塾の講師を辞めるときに、人間の教養・学術というのを人々は無償とか格安で手に入るものであると認識しているのだと思うようになりました。しかし、教養・学術というのはあくまで投資です。投資をけちったらどうなるかなんて、今の貧困の再生産とか、格差の固定化という現代の問題をよく考えればわかることだと思います。裕福層はより裕福になり、中流階級以下は貧困階級に取り込まれていくという現代においては、教育への投資というのは手を抜いてはいけないと思うのです。

また、学生の各位におきましても、大学に入学するまでに親御さんが、学生の皆様に投資してきた金額を考えて、今まで投資を受けてきたものを低額で提供する謂れはないのです。

したがって、塾講師というからくりをちゃんと知ることによって、今自分が保有する教養・学術をしっかり検討した上で、本当に必要なら塾講師をやっても構いませんが、低賃金な塾講師などやるべきではないのです。自分の持つ教養・学術をしっかりと見定め、それを獲得するまでの投資を着実に回収できるようなパスを考えることをお勧めします。


以上、昨今の教養は無料であるような錯覚をもっている人間が増えてきているなーと思ったので、書いてみました。